学部長エッセイ(2022.08)

オープンキャンパス

 2022年度も8月5日(金)で前期の試験期間が終了しました。同日には、4年生が精力を傾けている「プロジェクト型課題解決研究(PBL)」の中間発表会も開催されました。一部、締切日が延長されたレポート等が残っていますが、8月6日(土)から学生たちは実質的に夏休みに入りました。

 そして、8月6日には吉田キャンパスでオープンキャンパスが開催されました。コロナ禍のため、一昨年度は急遽オンライン開催を強いられました。昨年度は、対面とオンラインの併用という形をとりましたが、対面部分は感染対策のため予約制の導入とプログラムの大幅な縮小を強いられ、実際の来場者数もコロナ禍以前より大幅に減少しました。

 今年は、企画段階の4月から6月の感染状況が比較的落ち着いていたため、形式こそ「対面+オンライン併用」と昨年を踏襲することになりましたが、来場者数の回復を見込んでいました。しかし、6月末から新型コロナの変異ウイルスであるオミクロンのBA.5系統が猛威を奮い始め、7月下旬には明白に「第7波到来」という事態に至りました。結果として、昨年度同様、感染対策に非常に気を遣う環境下での開催となりましたし、来場者の減少を懸念しました。

 幸いなことに、後者の点に関しては杞憂に終わり、多数の熱心な受験生やその保護者や高校の先生が吉田キャンパスまで足を運び、模擬授業に熱心に参加したり、在学生や留学生と活発に質疑応答したりと国際総合科学部を体験してくれました。

 自分が受験生であった約40年前を思い起こすと、地方在住の高校生であった自分にとって、大学、特に国立大学というのは極めて遠い存在で、高い壁に囲まれているように感じられました。大学のキャンパスというところにはじめて足を踏み入れたのは共通一次(当時)受験のために地元の国立大学に赴いたときでしたが、大学のキャンパスというだけで気圧されていたように感じます。

 「オープンキャンパス」という言葉を初めて使用したのは1988年の立命館大学だとされていますが、その後私立大学間で急速に普及し、1990年代の半ばには定番の存在となりました。私立大学と比べ、受験生向けの広報・サービスが伝統的に弱いのが国立大学の弱点ですが、国立大学間の横並び意識は強いので、一部の国立大学が私立大学にならってオープンキャンパスを始めると、国立大学でもあっという間に普及しました(今でも、私立大学と比べると内容的に(大変遺憾ながら)質・量ともに見劣りしますが……)。

 まだ、色々と努力・改善の余地はありますが、オープンキャンパスのように大学が外部、特に将来の学生の卵である受験生にできるだけ門戸を開放しようとするのは大変好ましいことだと思います。少なくとも、大学入学後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するような事態を大幅に減少させられることができます。

 受験生が国際総合科学部の生の姿を体験し、また、在学生や留学生と直接語り合い、国際総合科学部を深く知った上で、他大学・他学部と慎重に比較検討し、最終的に山口大学国際総合科学部を選択してくれることを強く願っています。

模擬ディスカッションの様子

※オンライン型の動画配信は、以下のURLから8月31日(水)まで視聴可能です。

山口大学 2022年度オープンキャンパス

http://www.yamaguchi-u.ac.jp/prospective/oc2022.html